Codex CLI のインストールが終わったら、次は 実際に使ってみる ステップです。CLIは Codex の中でも最もパワフルで、長時間タスクの自動化・複数ファイルの一括修正・コマンド実行までこなします。
この記事では、初めての1ターンから、日常的に使えるワークフローまで、実例豊富に 解説します。
インストールがまだの方は、先に Codex CLI のインストール手順 を参照してください。
基本:対話モードと一発実行モード
CLIには大きく2つの使い方があります。
対話モード(よく使う)
codex
引数なしで実行すると、対話モードが起動します。ターミナル上でチャットしながらタスクを進められます。
一発実行モード
codex "READMEを日本語に翻訳して"
引数で指示を渡すと、その1タスクだけ実行して終了します。スクリプトに組み込む際に便利。
最初の3ターン(チュートリアル)
実際にやってみましょう。新しいフォルダを作って試します:
mkdir codex-tutorial && cd codex-tutorial
git init
codex
ターン1:ファイル作成
> hello.py という Python ファイルを作って、「こんにちは、Codex」と表示するコードを書いて
Codex が hello.py の内容を提案します。承認するか聞かれる ので y(はい)で承認。
ターン2:実行
> hello.py を実行してみて
Codex が python hello.py を実行し、出力を確認します。出力結果がそのままターミナルに表示されます。
ターン3:拡張
> 名前を引数で受け取れるようにして
Codex が hello.py を編集して、python hello.py 太郎 のように使える形に修正します。
これで 「指示 → 確認 → 実行」 という Codex CLI の基本フローが体験できました。
承認フローのしくみ
Codex は 「危ない操作は必ず人間に聞く」 という安全設計になっています。
| アクション | 承認が必要か |
|---|---|
| ファイル読み込み | 自動(承認不要) |
| ファイル新規作成 | 承認必要 |
| ファイル編集 | 承認必要(diffを見せる) |
| シェルコマンド実行 | 承認必要 |
| ファイル削除 | 承認必要(警告強め) |
| 外部API呼び出し | 承認必要 |
承認スキップする方法
ヘビーに使う場合、毎回 y を押すのは面倒です。自動承認モード にできます:
codex --auto-approve
ただし 本番リポジトリで使うのは危険。git管理下にない場所、または捨ててもいい検証フォルダだけで使うのが鉄則です。
よく使うコマンド一覧
codex # 対話モード起動
codex "タスク内容" # 一発実行
codex --auto-approve # 自動承認モード
codex --model gpt-5.1 # モデル指定
codex --resume # 直前のセッションを再開
codex --new # 新規セッションで起動
codex login # ChatGPTにログイン
codex logout # ログアウト
codex --version # バージョン確認
codex --help # ヘルプ表示
プロジェクトに「指示書」を置く:AGENTS.md
Codex は AGENTS.md という特別なファイル をプロジェクトルートに置くと、毎回それを読み込んで作業の前提にします。
AGENTS.md の例
# このプロジェクトについて
Next.js(App Router)+ TypeScript + TailwindCSS のWebアプリです。
Cloudflare Workers にデプロイします。
# ルール
- ファイル末尾は必ず改行
- コメントは日本語で書く
- 新規ライブラリ追加は事前に相談
- テストは `npm test` で実行
これを置くだけで、Codex の応答精度が劇的に上がります。詳細は AGENTS.md ガイド を参照。
実践ワークフロー5選
ワークフロー1:バグ修正
> npm test を実行してエラーを確認して
Codex がテストを実行し、失敗箇所を分析。
> エラー原因を特定して修正して
修正案を提示してくれるので、承認して反映。最後にもう一度 npm test を実行して緑になるまで自動でループしてくれます。
ワークフロー2:新機能追加
> ユーザー登録ページにメール認証機能を追加して。デザインは既存の /login ページと揃えて
Codex が以下を自動で行います:
- 既存の
/loginページを読んで構造を理解 - メール送信ライブラリを追加(事前確認あり)
- 新規ファイル作成・既存ファイル編集
- テストの追加
- README に手順を追記
ワークフロー3:リファクタリング
> src/utils/ にあるファイルを整理して、similar な関数は1つにまとめて
複数ファイルを横断的に読んで、重複を検出して統合してくれます。
ワークフロー4:ドキュメント生成
> /components 配下のすべてのコンポーネントについて、Storybookのストーリーファイルを作って
ファイル数が多くても自動で処理してくれます。長時間タスクなので、別作業をしている間に終わります。
ワークフロー5:コードレビュー
> 直近のコミットの diff を見て、気になる点を指摘して
git diff を Codex が自動実行し、変更内容を分析。バグの可能性・命名の改善案・テスト不足などをレポートしてくれます。
効率を10倍上げる5つのコツ
1. プロジェクトルートで起動する
ファイル参照が相対パスで効くので、必ず プロジェクトのルート で codex を起動します。
2. `.codexignore` で不要なファイルを除外
node_modules/
dist/
.next/
*.log
これだけでトークン消費が大幅に減ります。
3. 短く具体的に頼む
「全体的に良くして」より「auth.ts の TypeScript エラーを修正して」のほうが正確かつ高速。
4. 段階的に進める
大きいタスクを一気に頼むより、「設計 → 実装 → テスト → リファクタ」 と段階分けすると失敗が少ない。
5. セッションを使い分ける
新しい大きいタスクは codex --new で別セッションに分けると、コンテキストが汚染されません。
長時間タスクと Codex Cloud
CLIで「重い」タスクは、Codex Cloud に投げると裏で実行できます。
> [Codex Cloud] 全UIコンポーネントを refactor して、TailwindCSS を v4 構文に揃えて
Cloud に投げると、ローカルを閉じても処理が続き、完了したら通知が来ます。並列で複数タスクを走らせることも可能。
Git との連携
Codex は git の状態を理解して動きます。
git statusを自動実行して未コミット変更を把握git diffで直近の変更を分析- ブランチ作成・コミットも自動化可能(承認は必須)
> feat/auth-update というブランチを作って、認証まわりの変更をコミットして
これだけで、ブランチ切って、ファイル編集して、コミットメッセージも書いてくれます。
トラブルシューティング
`codex` を打ってもプロンプトが出ない
codex login でログインが必要です。
反応が遅い
サーバー側の混雑、または大量のファイルを読み込んでいます。.codexignore を見直してください。
ファイル編集が反映されない
承認をスキップしていませんか?y を押したか確認。
モデルを変えたい
codex --model gpt-5.1-codex
または ~/.codex/config.toml で恒久設定。
よくある質問(FAQ)
Q. CLIはオフラインで動きますか?
A. 動きません。OpenAIサーバーとの通信が必須です。
Q. 複数プロジェクトで同時に動かせますか?
A. はい。別のターミナルウィンドウで それぞれ起動すれば並列に動きます。
Q. 出力された差分を一括取り消ししたい
A. git checkout -- . でgit管理下なら戻せます。git管理外なら 取り戻せない ので注意。
Q. Slack や Discord と連携できますか?
A. Codex Cloud には Webhook 機能があり、完了通知を外部サービスに送れます。詳しくは設定ガイドへ。
Q. CLIのプロンプト履歴を保存できますか?
A. はい。~/.codex/history/ 配下にセッションごとに保存されます。
まとめ
Codex CLI は、「対話して承認するだけ」 で複数ファイルにまたがる開発作業をこなせる強力なエージェントです。AGENTS.md と組み合わせると、プロジェクト固有のルールも守りながら動きます。
次は、より便利に使うための AGENTS.md ガイド と、プロンプト技10選 も読むと、ワークフローが格段に洗練されます。